知っておくと好感度UP!
間違えやすい「仕事のマナー」
一般的なマナーは知っているつもりでも、臨機応変さが求められるビジネスシーンではミスなく完璧に振る舞うのは難しいもの。ここでは、社会人1年目の美咲の1日を例に、間違えやすいビジネスマナーを中心に紹介していきます。
美咲は社会人1年目のOL。正義感が強く、どんなときでもポジティブに振る舞える性格が、上司や先輩から評価されている。思い込みが激しく、うっかりミスが多い点はたまに傷ではあるものの、本人はいたって前向きに日々の仕事に取り組んでいる。
控えめをアピールするのも、場をわきまえて!
午前9時。
新人研修も昨日終わり、今日から希望していた営業部に配属。今まで教わってきたことを思い出して頑張ろう!
……あっ、エレベーター前で待っているのは同じ部の先輩。よし、ここはひとつ元気よく挨拶を、っと。何事も最初が肝心。エレベーターで私が先頭に立つのは偉そうだから、最後に乗って素早く一番奥に移動しなきゃ。やまとなでしこらしく、「知的で控えめな女子」をモットーに。あとでこれは先輩から褒められちゃうな、てへ!
ん? なぜか先輩がバツの悪そうな顔をしてるけど? 私、なんか間違えちゃった!? 不思議な顔をする美咲であった―――。
エレベーターにも乗る順番や
立ち位置のマナーがある!
接待の場や会議室などの空間に席次があるように、エレベーターにも「どこに立つべきか」「どこに座るべきか」というマナーがあります。
たとえば、エレベーターでは目上の人よりも先に乗り、操作盤の前に立ってボタン操作をするのが基本。位の高い順に、操作盤の前に立つ人の後方、その横、ドアの前というように、奥から手前の順番で誘導していきます。
間違えた「優先順位」は炎上の原因に!
11時半。
午前中の仕事もあとひと息で終了!ほっとする美咲の背後から上司の声が。「ちょっと気になっていることがある」との呼び出し。うーん、イヤな予感が……。とはいえ、こんなときこそしっかり対応することが大切。「デキる新人」をアピールしなきゃ!
ひとまず「同じミスを繰り返したくないため、メモをとります。少々、お待ちください!」と元気よく返事をして、急いでメモの準備を。メモはどこかな、と。
あれ、上司の顔が見る見る間に曇っている……。
メモは注意を受けたあとに
本人の過失であるにもかかわらず、それを注意する上司を待たせたまま自分のペースで行動するのは適切な行為とはいえません。
上司がいるところに取り急ぎ向かって注意を受け、自分の席に戻ったあとで内容を忘れないよう、メモに書き残しておくのがマナーです。
言い間違いひとつで能力を疑われることに……
午後3時半。
上司から再度の呼び出し。「ああ、また何かやらかしたかな……」とドキドキしながら近寄る美咲に、上司からうれしいサプライズが!新人であるにもかかわらず、上司が懇意にしている得意先の主営業担当に抜擢。とてもうれしかったものの一喜一憂せず、謙虚な態度を示そうと思い上司に返事をした。
「そんな大役を任せていただけるなんて、私には役不足かもしれません。ですが、任されたからには千載一遇のチャンスだと思い、一生懸命頑張らせていただきます」と。
われながら完璧すぎる返答に大満足!しかし、上司からは「やる気があるのはわかったけれど、キミはもう少し日本語の勉強をしたほうがいいね。果たして任せて大丈夫だろうか……」とひと言。えっ、どこか変だった?
「役不足」の本当の意味、
知っていますか?
よくある間違いのため、どこかで一度は聞いたことがあるかもしれませんが、今回きちんと覚えておきましょう。
「役不足」とは、簡単すぎて物足りないときに使う不満の表現。上司から大役を任されたにもかかわらず「私には役不足」と返事をしては、「そんな役目では物足りない」と不遜な答えになってしまいます。謙虚な姿勢を見せたいのであれば、「『力不足』かもしれませんが」と答えるのが正解です。
いざというときに安心!
今さら聞けない「結婚式のマナー」
お祝い事の席だからこそ、失礼があってはいけないもの。それには、正しくマナーをおさえておくことが大切。ここでは、知っておくといざというときに困らない、結婚式マナーの基本を中心に紹介していきます。
がさつな行動が品格を落とす!
翌日、午前11時。
今日は、同じ部署の先輩の結婚式。彼氏のいない私にとって結婚はまだまだ先のことで、うらやましく思いつつ、いい出会いがないかな~と浮かれ気分の美咲。急いで結婚式会場に向かい、受付へ直行。幸せな気持ちのまま笑顔で「よかったら、どうぞ♪」と、手際よく速やかにバッグから祝儀袋を出したところ、「あ、どうも……」と、若干引き気味のリアクションが返ってきた。
あれ、晴れの日らしく笑顔でスマートに渡したつもりだけど、なんか間違えた???
祝儀袋をそのまま手渡すのはNG
結婚式など慶事の祝儀袋は、汚れたり折れたりしないように「ふくさ」に包んで持参するのがマナー。
受付ではバッグからふくさごと出し、ふくさから出した祝儀袋に両手を添えて受付の人に手渡します。その際「本日はおめでとうございます」と、ひと言添えるのを忘れずに。
ちなみに、「ふくさ」は結婚式など慶事用は暖色系、お葬式など弔辞用は寒色系、紫は両方の用途で使って問題ないとされています。まだ持っていないという人は、1枚用意しておくとなにかと重宝しますよ。
テーブルマナーも油断大敵!
12時半。
披露宴の食事がスタート。まずは、テーブルで隣になった初対面の人と軽く挨拶。乾杯の際、「おめでたいことだから盛大にやったほうがいいでしょ!」とばかりに、大きな音を立てて隣の人とシャンパングラスをぶつけて乾杯した。
グラスの心地よい音が鳴り響くと同時に、美咲に対して周囲から冷たい視線が……。いやいや、おめでたいことなんだから、ぱーっとやらないとダメでしょ、ここは!
グラスはぶつけず、
持ち上げるだけでOK
繊細にできているシャンパングラスやワイングラスは、ぶつけることで割れてしまうことも。
乾杯のときはグラスの足の部分を持ち、目線の高さまで持ち上げるだけでOK。
隣の席の人とは、目を合わせ、笑顔で「乾杯!」と言葉を交わしましょう。それがエレガントな大人のマナーです。
四六時中「仕事モード」もいいけれど……
午後2時。
アットホームないい雰囲気で会が進むなか、取引先から新婦あてに仕事のことで伝言を頼まれていることをふと思い出した。美咲の酔いは一気に覚め、慌てて新婦にお祝いの言葉を述べにいき、そのついでに、周囲に聞こえないよう配慮しつつ小声で用件を伝えた。
これでモヤモヤすっきり!……だけれど、新婦は浮かない顔。気を利かせたつもりなのにどうして!?
慶事の場での仕事の話はNG
慶事の場で仕事の話をするのは、小声だとしてもマナー違反です。たとえ思い出したとしても、日をあらためて伝えるようにしましょう。
ビジネスマナーやテーブルマナー、言葉のマナーなど、状況に応じて正しく対応できれば、品格や知性がアップします。正しいマナーを意識すれば、きっと素敵な大人になれることでしょう。