世界はやっぱり広い!
こんなに違う「文化」や「マナー」
海外を旅してみると「日本の常識」が通じないことや、そもそもの考え方が大きく異なりショックを受けることも……。まずは、100を超える渡航経験を持ち、海外文化に精通している中原健一郎氏と長谷川大氏から、驚きの文化やマナーを紹介していただきました。
旅慣れていても、それでも驚く「海外トリビア」
ネイティブスピーカーが日常的に使っている”生きた言語”を学びたいと思ったときに欠かせないのが、その国の「文化」を知ること。
中原さんと長谷川さんも、「その国の文化に憧れ、価値観の違いを知ると世界が広がる」と、口をそろえて言います。
そこで、お二人がそれぞれ見聞きした外国の文化やマナーでも、とくに興味深かったものや驚いたものを挙げてもらいました。
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アメリカの異文化トリビア
【車の運転中、踏切では一時停止しない!】
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アメリカではそもそも踏切を通過すること自体が少ないのですが、踏切では一時停止の義務がありません。
日本と同じ感覚で踏切で一時停止をすると、後続車に追突される危険性があるため、気をつけてください!
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フランスの異文化トリビア
【入浴は週に1~2回!】
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フランス人はお風呂をあまり好まないといわれ、なかでも歴史上で特に有名なのは太陽王ルイ14世。
生涯で入浴したのは、なんと2回という話もあります。
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韓国の異文化トリビア
【遅刻しそうな受験生はパトカーで送迎されることがある!】
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学歴社会の韓国では、大学受験の合否がその後の人生を左右するといってもいいほど。遅刻しそうな受験生をパトカーや白バイが試験会場まで送り届けることは珍しくありません。
ちなみに受験当日は受験生のことを考慮し、通勤ラッシュを避けるため始業時間をずらす企業すらあります。そのほか、聞き取り能力が試されるリスニング試験をしている間は、大きな音が出る飛行機の離発着が禁止されることもあります。
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中国の異文化トリビア
【出された料理は完食しない!食事の会計で割り勘しない!】
招かれた席で出された料理を全部たいらげてしまうと、『料理のボリュームが足りない』『このくらいでは満足してない』という意味に受け取られてしまうことがあります。そのため料理は少し残すのがスタンダード。
また、メンツを重んじる傾向がある中国人の考え方にのっとると、会計は誰か1人が支払うのが普通です。食事をするメンバーは食事会のたびに交互に支払うことで、支払った人のメンツや、金銭的な公平感を保ちます。
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ブルガリアの異文化トリビア
【イエスのときは、首を横に振る!】
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ブルガリアでは『イエス』と『ノー』の際の首の振り方が日本とは逆。
肯定する『イエス』のときは首を横に振り、否定をする『ノー』のときは首を縦に振ります。
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インドの異文化トリビア
【電車が「いつ、何番線に」到着するかが不明!】
インドでは電車の到着が1~3時間程度遅れるのは当たり前。長谷川さんは、なんと最大9時間の遅れを体験したこともあるとのこと。何番ホームに電車が来るのかもわからす、インド人に聞いても人によって答えがバラバラ!
どうやらインド人は、質問されたことに対して『知らない』と答えるのはとんでもなく不親切だと考えているようなのです。
・・・いろんな国のトリビアいかがでしたか?グローバル化の中で、今後、必要とされる語学力を紹介していきましょう。
やっぱり「語学力」
は欠かせない!?
異文化を知り、理解するうえで欠かせない能力の1つが「語学力」。ここでは引き続き、中原さんと長谷川さんに話をうかがい、如実に感じる変わり行く日本と必要とされる語学力を紹介します。
グローバル化に欠かせない「語学力」
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日常生活のなかで外国人とコミュニケーションをとることも決して珍しいことではなくなってきました。
そんなグローバル化が急激に進む今、外国人との円滑なコミュニケーションのために求められるのは「語学力」です。お二人には、外国語を習得する楽しさやメリット、語学の大切さについて伺いました。
外国語を習得するメリットは、どこにあると思われますか。
これからは『国民皆外交官』の時代。たとえば、ひと昔前なら『アメリカに行くから英会話をマスターしよう』と英語を学んだものの、これからは『日常生活で必要になるため英語を学ぼう』となるでしょう。
もちろん、英語だけではなく中国語や韓国語、フランス語だって同じこと。いつどこで外国語が必要になるかわからないのですから。考えが異なる人に外国語で自分の考えや意見を伝えるスキルは、自分自身のアイデンティティーや自信の強化にもつながります。(中原さん)
単に外国語が話せるようになるだけでなく、自信につながるのですね。
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これまでは『英語ができるかどうか』が重要視されていましたが、今は『外国語を使ってなにができるか』が大事です。
相手の国の言語を使ってコミュニケーションをすることで、自分と異なる視点があることに気づく。すると、今まで知らなかった生き方、真実を知ることができるようになります。そんなふうに新しい喜びを知ったり、新しい友人ができたりすることは、人生の豊かさにもつながるのです。(長谷川さん)
生まれ育った国が違っていても、言葉があれば気持ちは伝わるもの。外国語を身につけ、コミュニケーションに役立てることは、シンプルだけれど楽しくて役に立つ“学び”の形といえるでしょう。コミュニケーションの可能性が広がる“学び”、始めてみませんか?
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中原健一郎
100余国の渡航経験を持つ、元ツアーコンダクターにして通訳案内士。現在は都内専門学校にて観光学の講義を担当。外国人目線で「ワカリニクイ」日本の発見にも取り組んでいる。
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長谷川大
出版社で編集者として勤務したのち退職、世界一周の旅に出る。これまでの訪問国数は83か国、世界遺産は235か所。現在はフリーの編集者・ライターとして活躍。