• 更新日:2024/07/31

終活とは、最後まで自分らしく活きるために、そして後を託された人が困らないように、人生の最期に向けた準備に関する活動の総称です。万一、意思疎通ができなくなった時や万一亡くなった後の対応など、人生後半期に起こりうる様々な課題について、あらかじめ決めておきます。

終活を行うことで、残される家族や周囲の人の負担を軽減でき、自分の気持ちの整理や将来設計も可能です。この記事では、終活の目的やメリットとともに、具体的に何をやるべきかについて解説します。注意点にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

終活とは?

終活とは、より良い人生の最期を迎えるために様々な準備を行う活動のことです。遺された家族の負担を軽減させたり、自分の残りの人生を充実させる目的もあります。エンディングノートなどを使い、医療や葬儀に関する希望や身の回りを整理しておくことがおすすめです。
終活すると自分の死に対する気持ちを整理して不安を和らげたり、残りの人生をどのように謳歌するか考えたりできます。

また、終活には、病気になったときや意思疎通ができなくなったとき、そして自分が亡くなった後に必要な手続きの準備も含まれます。対応方法の希望があれば、それを事前に決めておくことも可能です。終活に取り組むことで、自分自身や人生について考えるきっかけになります。終活で対応すべき内容は多岐にわたるため、少しずつ進めていきましょう。

終活をするメリット

終活をするメリットとしては以下が挙げられます。

  • 老後や死に対するネガティブな気持ちを整理できる
  • 残りの人生について計画を立てられる
  • 残される家族や周囲の人の負担を軽減できる
  • 遺産や相続などのトラブルの防止になる

不安の解消や気持ちの整理ができる

終活により自分の残りの人生や最期について考えることで、人生後半期の過ごし方や死に対する漠然とした不安が解消しやすくなります。気持ちの整理がつくと、残りの人生を前向きな気持ちで過ごせるでしょう。終活は、残りの人生をよりよく楽しく生きるために役立つ可能性が高いです。

また、終活はこれまでの自分の人生を振り返るきっかけにもなります。自分自身と向き合う機会を得られ、今後の人生をどうすれば有意義に過ごせるかについてヒントを得られる場合もあります。

残りの人生を計画するために役立つ

終活をして今後の生き方を考えれば、明確な人生計画を立てられます。たとえば、老後の就労の有無や、就労するならいつまで続けるのか決めましょう。就労の目的や手段などについても検討しておくことが大切です。あらかじめ計画を立てておくと、そのタイミングを迎えたときにスムーズな対応ができます。

残される人への負担を減らせる

自分自身に関する情報や死後の対応に関する希望をひと通りまとめておけば、自分が亡くなった後に残された人たちの負担が少なくなります。残された人はまとめられた内容を参考にして対応すればよく、手間が省けるからです。

たとえば、氏名、生年月日、本籍地などの基本情報がまとめられていると、死亡届や住民票の抹消届などの各種手続きもスムーズに行えます。また、葬儀やお墓についての希望を書いておけば、残された人が悩まずその希望に合わせて対応できます。

見落としがちですが、デジタル機器に関する情報をまとめておくこともおすすめです。具体的には、パソコンやスマートフォンの数とともに、それぞれのパスワードも分かるようにしておきましょう。

遺産や相続に関するトラブルを防げる

遺産や相続についてのトラブルは少なくないですが、終活を行うことによって防止できる可能性があります。終活の一環として遺書を作成し、自分の財産の死後の扱いについて意思を示しておくといいでしょう。基本的には自分の意思を尊重して構いませんが、家族の希望を考慮する人もいます。

本人が生前に意思表示し、法的な効力をもった遺言書として準備しておけば、残された人同士が後から揉める心配を減らせます。債務があるなら、財産とともに債務についても情報をまとめておきましょう。ただし、借金や契約などの問題を残して亡くなると周囲に迷惑がかかる可能性があります。終活においては、それらの解決や対応の引き継ぎなども行うべきです。

終活はいつから始める?

終活は歳を重ねてから始める印象が強いですが、始めるタイミングに決まりはなく、人によっても大きく異なります。
自分が自立したタイミング、結婚したタイミング、親が亡くなったタイミングなど、取り掛かる時期は様々です。

たとえば、退職や還暦といった節目で終活に興味をもち、着手する人も多いです。
人生の節目を迎えたときに、配偶者や子どもなどから老後の過ごし方や亡くなった後の対応などについて確認されるケースもあり、それが終活のきっかけになる人もいるでしょう。
さらに、加齢によって体調の大きな変化を感じたり、何らかの病気を告知されたりして、必要に迫られて終活を始める人もいます。
20代の若いうちから自分の老後や亡くなった後の状況について考えることも可能です。早くから着手すれば、焦らず時間をかけてゆっくり準備ができます。

終活はいつから始めても構わないですが、気力や体力に余裕があるうちから取り組み始めた方がスムーズで、理想です。

終活でやるべき8つのこと

終活でやるべきこととしては以下が挙げられます。

  • エンディングノートを書く
  • 遺言書を用意する
  • 身辺整理をしておく
  • 財産や債務の状況を確認する
  • 葬儀やお墓の希望を決めて用意する
  • 医療や介護の希望について考える
  • 就労の有無とその目的を明らかにする
  • 住まいをどう確保するか決める

エンディングノートを作る

終活では、エンディングノートを書く人も多いようです。エンディングノートとは、自分自身に関する情報や希望、残される人たちへのメッセージなどをまとめたものです。ただし、遺言書とは異なり形式や媒体に制限がなく、法的な拘束力は発生しません。あくまでも自分の気持ちを整理したり、残された人に自分の希望を伝達したりするために作成します。

遺言書を書く

自分の死後に遺産や相続などのトラブルが発生しないようにするには、遺言書を作成するという方法があります。遺言書は一定の形式に沿って作る必要があって手間がかかりますが、法的な拘束力が発生します。希望が変われば、自由に作り直しが可能です。自分で作成できない場合は、弁護士に相談して作成する方法もあります。

身辺整理する

終活には、身辺整理も含まれます。自分が所持している物品を整理整頓し、不要なものは処分しましょう。残したいものについては、管理や保管の方法をまとめておくと残された人が対応しやすくなります。

また、契約や加入しているサービスなどを確認し、すでに不要なものがあれば解約しておきます。自分が亡くなるまで契約や加入を続けるものについては、解約方法についてまとめておきましょう。

財産や債務を把握する

自分の財産や債務の全体像を把握し、整理や処分などをすることも大切です。財産には、預貯金、不動産、保険、会員権などさまざまな種類があります。債務がある場合、保証人の有無や相手についても確認が必要です。財産や債務の状況を把握できれば、遺産や相続の対応についても指針を定めやすくなります。

葬儀やお墓の準備をする

終活では、自分の葬儀やお墓の準備も行います。葬儀について、形式や規模・予算などの希望を考えましょう。葬儀は事前に契約できるサービスもあるため、自分自身で手配しておけば残された人の手間を減らせます。また、お墓についても自分で準備しておくと、残された人の負担が小さくなります。

医療や介護の希望をまとめる

終活においては、老後に受ける医療や介護の希望についてもまとめておきましょう。老後は自分で適切な判断ができなくなったり、意思表示が困難になったりする場合も多いからです。たとえば、利用したい病院や施設の詳細をまとめ、延命治療を受けるかどうか決めておくこともおすすめです。介護を在宅で受けたい場合は、その旨も合わせて示しましょう。

就労の有無や目的を決める

終活においては、人生後半期の就労についてもイメージしておく必要があります。何歳まで就労し、どのような職種で働くのか決めましょう。就労せず、自分がやりたいことや実現したいことをするという選択肢もあります。就労の有無を考えると、残りの人生の過ごし方を考えるきっかけにもなります。

住まいについて計画を立てる

現在住んでいる家に老後も住み続けるかについても検討が必要です。あわせて、介護が必要になった場合のリフォームの必要性や施設への入居についても考えましょう。住みかえるなら、具体的にどのような家を選ぶか、どんな場所に住むかイメージする必要があります。老後の住まいについても、終活を通じて詳しく計画しておくといいでしょう。

終活に関する注意点

終活に関する注意点としては以下が挙げられます。

  • 周囲の人の意見を聞いて活かす
  • デジタル終活も忘れずに行う
  • ネガティブになりすぎず前向きに考える
  • 専門家にも相談しながら終活する

周囲の人の意見も参考にする

終活は、自分だけでなく残される人のためにもなります。周囲の人の意見も積極的に聞き入れましょう。自分の意思は大切にすべきですが、死後の対応については残される人の意見もなるべく取り入れるといいでしょう。周囲の人と情報を共有すると、より有意義な終活を実現できる可能性が高くなります。

デジタル終活を怠らない

終活では、デジタル終活も行う必要があります。所有しているパソコンやスマートフォンを把握したり、SNSのアカウントや加入しているサービスなどをまとめたりしましょう。特に、パスワードの管理が重要です。パスワードが分からないとアカウントの削除や契約の解除などがスムーズにできないため、残された人にとって大きな負担となります。

ネガティブになりすぎない

終活は自分自身の最期に向き合う作業であり、不安やストレスを感じてネガディブになりがちです。しかし、終活は自分の残りの人生を有意義に過ごすために役立ちます。また、自分が亡くなった後に発生しうる問題の防止にもつながります。そのようなメリットを意識し、なるべく前向きに考えて取り組みましょう。

専門家への相談も検討する

終活に含まれる要素は多岐にわたり、法的な決まりもあります。人によっては、自分だけでは判断できない内容が見つかる場合もあります。終活で悩む部分ついては、弁護士、税理士、ファイナンシャルプランナー、終活アドバイザーなどの専門家へ相談しましょう。専門家なら適切な方法を知っているため、終活をよりよくスムーズに進められます。

まとめ

終活は自分の老後や最期について考えることであり、さまざまな内容を含んでいます。すべてに対応するとなると時間がかかるため、気力や体力が十分なうちに始めることが大切です。身の回りの人や専門家などにも相談しながら、最適な手段や方法を選びましょう。

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生涯学習のユーキャン
この記事の監修者は生涯学習のユーキャン

1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。

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終活とは、「終」末期に向けた「活」動の略で、人生の最期に向けた準備を行うことです。
最近では解釈の幅が広がり、自身の人生の棚卸しをすることで自分を見つめ、今後の人生をより豊かに、自分らしく生きるための活動という解釈が一般的になりました。
社会保険制度、財産の管理や相続対策、葬儀・供養・お墓など死後に必要となる項目などさまざまな知識に精通する終活アドバイザーは、介護職員、看護師、葬祭業関係者、金融業の窓口担当など、日頃シニアと接し、相談を受ける機会が多い人のスキルアップに役立つ資格です。
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