秘書検定取得のメリットは?各級の特徴・他のビジネス検定との違いも解説
- 更新日:2023/07/10
就職や転職をするにあたり「なにか資格を取ろう」と考えている人は多いのではないでしょうか。そんなときにおすすめなのが、ビジネス検定のひとつ「秘書検定」です。
この記事では、秘書検定の概要や特徴、取得することでどのようなメリットがあるかなどを、詳しく説明していきます。他のビジネス検定との違いや、秘書検定合格を目指すための勉強法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
このページを簡潔にまとめると・・・
- 秘書検定は、社会人として必要な知識・マナーを身につけることができる。
- 職場では即戦力として重宝されたり、気遣いができるなどのいい印象を持たれることも。
- 3級は基本、2級は応用。準1級、1級は筆記試験に合格後、面接試験があり、高度な知識や判断力が必要。
- 秘書検定の他にもビジネス系の検定はあるが、秘書検定は、自分の知識だけではなく、他者に対してのマナー、より専門的な能力が問われる。
秘書検定はどんな資格?
秘書検定では、ビジネスの場で必要な共通の知識・技能、 社会人として求められる一般常識や接遇・マナーなどを学びます。
秘書検定は、公益財団法人 実務技能検定協会が実施する民間資格で、正式な名称は「文部科学省後援 秘書技能検定試験」といいます。
秘書検定といっても秘書になるために必須の資格ではありません。秘書に求められる一般常識やビジネスマナーを習得するものです。社会人としての常識を身につける資格ともいえるかもしれません。秘書を目指す人はもちろん、学生や新社会人、ベテラン社会人にも人気の資格です。
秘書検定の試験形式・合格基準は?
秘書検定の筆記試験は「理論」と「実技」に分かれており、どちらかが高得点であっても合格はできず、バランスよく得点する必要があります。
ここでは、秘書検定の試験形式や合格基準について説明していきます。
試験形式
秘書検定には「3級」「2級」「準1級」「1級」の4つの級があり、すべての級の筆記試験で「理論」と「実技」の知識が問われます。出題形式は、3級から準1級まではマークシート形式および記述形式、1級はすべてが記述形式での出題です。
さらに準1級と1級には、筆記試験合格後に面接試験があります。面接試験はロールプレイング形式で行われ、秘書にふさわしい所作が身についているかが問われます。
合格基準
筆記試験問題は、前述したようにすべての級で「理論」と「実技」に分けられており、それぞれ60%以上正解しなければ合格できません。理論は「必要とされる資質」「職務知識」「一般知識」の3科目、実技は「マナー・接遇」「技能」の2科目からの出題となります。
秘書検定の各級の特徴は?
秘書検定3級は基本、2級は応用、準1級、1級は筆記試験に合格後、面接試験があり、高度な知識や判断力が必要になります。
次に、秘書検定の各級の特徴を説明します。3級は「社会人として知っていて当然」という内容が問われることが多いため、スキルアップを目指すなら2級か準1級を目指すのがおすすめです。3級と2級の検定は年3回、準1級と1級は年2回行われています。
秘書検定3級
敬語やビジネス文書などの基本的な知識が問われます。主な受験者層は高校生で、平均合格率は70%前後というデータからもわかるように、難易度は高くありません。直近3回の合格率は以下のとおりです。
- 第124回 2021年6月13日(日) 70.2%
- 第123回 2021年2月7日(日)78.8%
- 第122回 2020年11月15日(日)81.9%
秘書検定2級
電話対応や接客、仕事の優先順位のつけ方など、応用力が求められる試験です。就職活動を始める大学生、スキルアップを目的とした社会人の受験が目立ちます。直近3回の合格率は以下のとおりです。
- 第124回 2021年6月13日(日)54.6%
- 第123回 2021年2月7日(日)56.5%
- 第122回 2020年11月15日(日)64.1%
秘書検定準1級
的確な判断力や対応力など、中堅の秘書に求められるレベルです。筆記試験に合格すると面接試験があり、身だしなみや表情、話し方なども審査の対象とされます。受験者の多くは大学生および社会人で、直近2回の合格率は以下のとおりです。
- 第124回 2021年6月13日(日)39.0%
- 第122回 2020年11月15日(日)39.9%
秘書検定1級
上級の秘書に求められるレベルで、上司の仕事を理解してサポートする能力が問われます。受験者の多くは、スキルアップを目指す現役の秘書です。準1級と同じく筆記試験に合格すると面接試験があり、知識や技能、所作などを総合的にチェックされます。直近2回の合格率は以下のとおりです。
- 第124回 2021年6月13日(日)25.7%
- 第122回 2020年11月15日(日)30.0%
秘書検定を取得するメリットは?
社会人として必要な知識・マナーを身につけることができるため、多くの場面で活用できます。職場では即戦力として重宝されるでしょう。
次に、秘書検定に取得するとどのようなメリットがあるのかを説明します。
社会人に必要な知識・マナーを知ることができる
秘書検定のもっとも大きなメリットは、社会人に必要な知識やマナーなどを知り、身につけることができるということです。秘書検定で学ぶ内容は、正しい敬語やビジネスシーンにふさわしい身だしなみなどをはじめ、お茶の出し方、電話対応、来客対応など多岐にわたります。ビジネスシーンだけでなく、プライベートでも役立つものも多くあります。
気遣いができるなどのいい印象を持たれる
秘書検定の目的に「人柄育成」というものがあります。秘書検定は、社会の常識を理解し、感じのよい人柄を身につけるための学びです。
言葉遣い、話し方、立ち振る舞いなどは、その人の印象を大きく左右します。また、予期せぬトラブルが起きたときには、その人の人柄が現れます。瞬時に的確な判断をし、柔軟に対応できれば、周囲からよい印象を持たれることでしょう。自身の印象をより魅力的に磨くために、秘書検定が役立ちます。
事務作業などの仕事ですぐに使える
秘書検定では、ビジネスシーンに適した文書やメールの作成、電話対応などの技術も学びます。そのため、職場では即戦力として重宝されるでしょう。
例えば、案内状や報告書などビジネス文書には数多くの種類がありますが、書式はだいたい決まっています。それらを知っておくことで、事務作業も効率よく進めることができます。ファイリングや郵便の出し方など、事務作業全般についての知識が身につくことも秘書検定のメリットの一つです。
お客様宛の文書や手紙・メール作成に役立つ
お客様宛の文書や手紙、メールなどの文面には、失礼がないよう細心の注意が必要です。改まった文章を書き慣れていないと、構成を考えるだけでも多くの時間を費やしてしまうでしょう。
秘書検定では、社内外に向けたビジネス文書全般について学びます。お客様に不快感を与え、会社の評判を落としてしまったなどといった失敗を防ぐためにも、秘書検定が役立ちます。
正しい敬語を身につけることで電話対応もスムーズにできる
電話対応では親しみやすさや柔らかさが求められます。敬語を使うことだけにこだわりすぎると、ときに慇懃無礼な印象を与えかねません。正しい敬語をスムーズに使えるようになるには、練習はもちろんのこと、正しい敬語に関する知識も必要です。秘書検定では正しい敬語を身につけることができるため、電話対応もスムーズに行えるようになります。
文部科学省が後援する資格なので信用性が高い
秘書検定の主催団体は、公益財団法人実務技能検定協会であり、国家資格ではありません。正式名称にあるように、秘書検定は文部科学省が後援する民間資格です。そのため、信用性の高い資格といわれています。資格の知名度も高く、就職や転職の際には「一般常識やビジネスマナーを習得している」ことをアピールするのに役立ちます。
秘書検定と他のビジネス系検定との違いは?
ビジネス系の検定も各種ありますが、秘書検定は、自分の知識を問うだけではなく、他者に対してのマナー、より専門的な能力が問われます。
秘書検定のほかにもビジネスに役立つとされている検定試験があります。それらのビジネス系検定について、概要や出題範囲などを紹介しましょう。
ビジネス文書検定
ビジネス文書を使いこなす技術を問う検定試験です。正しい用語が使えるかなどを問う「表記技能」、正確で分かりやすい文書が書けるかなどを問う「表現技能」、社内文書や社外文書が書けるかなどを問う「実技技能」から出題されます。
ビジネス実務マナー検定
ビジネス社会の基本ルールを身につけているか、ビジネスパーソンとしてふさわしい言動ができるかなどが問われる検定試験です。「必要とされる資質」「企業実務」「対人関係」「技能」の4つの領域から出題されます。
ビジネス電話検定
ビジネスシーンでの電話のかけ方の専門性が問われる検定試験です。「感じのよさの向上」を目的に、「話し方の知識」「基礎技能」「電話実務」の3領域から出題されます。仕事をしていると、クレーム電話を受けることもあるため、判断力や語彙力なども必要です。
サービス接遇検定
「サービスマインドの育成」を目的とした検定試験で、サービス業務に対する心構えや態度、応対の技術などが問われます。出題範囲は「サービススタッフの資質」「専門知識」「一般知識」「対人技能」「実務技能」の5領域です。
秘書検定に合格するにはどの勉強法がいい?
秘書検定は、独学でも合格は可能ですが、 効率的に学習したい方は、教材、サポート体制が充実している通信講座がおすすめです。
秘書検定に合格するための勉強法は色々ありますが、ここでは独学と通信講座に絞って、それぞれの特徴やメリットなどを紹介します。
独学でも秘書検定合格は目指せる?
独学でも合格できるかどうかは、受験する階級によって異なります。まず、3級と2級は筆記試験のみのため、独学でも合格を狙うことはできるでしょう。合格に向けた勉強法としては、テキストを熟読することと、過去問題を繰り返し解くことです。
ただし、「理論」と「実技」それぞれ60%以上正解できないと合格することはできません。特に2級は、3級に比べて難度が高いため、過去の合格率も3級と比較すると低めです。油断せず、しっかりと対策を練りましょう。準1級と1級には面接試験があるため、独学での合格は難しいかもしれません。
通信講座を利用するメリットは?
通信講座は独学と同様、自分の好きな時間に勉強することができます。独学と異なるのは、サポート体制が充実していることです。わからないことがあったとき、やる気が起きないときなど、独学では挫折してしまいがちですが、通信講座では講師陣に質問したり、励ましてもらったりしてモチベーションを維持できます。
DVDなどの教材で面接対策ができるのも、独学との大きな違いです。特に準1級や1級の合格を目指すなら、通信講座の受講をおすすめします。
まとめ
秘書検定の3級および2級は、独学で取得することも可能です。しかし、準1級や1級を目指すなら、面接対策が可能な通信講座を選んでおくとよいでしょう。
ユーキャンの秘書検定講座では、3級・2級・準1級をまとめて学ぶことができます。幅広い知識が得られるため、より安心して試験に臨めるのではないでしょうか。秘書検定対策の専門スクール「早稲田ワーキングスクール」全面監修によるポイントを押さえた教材で、わずか4カ月で合格を目指すことができます。
準1級の面接対策には、元面接試験審査員が監修したDVD&BOOKも付属しています。より確実な合格のために、ユーキャンの秘書検定講座をチェックしてみてください。
- この記事の監修者は生涯学習のユーキャン
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1954年設立。資格・実用・趣味という3つのカテゴリで多岐に渡る約150講座を展開する通信教育のパイオニア。気軽に始められる学びの手段として、多くの受講生から高い評価を受け、毎年多数の合格者を輩出しています。
近年はウェブ学習支援ツールを拡充し、紙の教材だけでは実現できない受講生サポートが可能に。通信教育の新しい未来を切り拓いていきます。
よくある質問
- 秘書検定の勉強方法は?
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秘書検定は、独学・通学・通信教育の3つが主な勉強方法になります。1級と準1級は面接試験がありますので、面接試験対策のある勉強方法がおすすめです。
- 秘書検定の勉強時間は?
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秘書検定2級を独学で勉強した場合、約20~70時間ほどが勉強時間の目安とされています。通学は期間にして平均3~4カ月、最短で2カ月ほどです。
- 秘書検定の資格って就職に有利に働くの?
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秘書検定は3級から履歴書に記載することができます。しかし、就職の際に有利に働くのは2級からとされ、準1級を取得すればさらに有利になるといわれています。
- 秘書検定の申し込み方法は?
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秘書検定試験の申込みは、ネット経由での申込み方法と、現金書留による郵送申し込みの方法の2パターンあります。
- 秘書検定の履歴書への書き方は?
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正式名称は「文部科学省後援 秘書技能検定試験」ですが、履歴書に書くときは「秘書技能検定〇級」でも大丈夫です。ただし、「秘書検定」とは書かないようにしましょう。また、国家資格ではないため、「取得」ではなく「合格」と記載することに注意してください。
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ポイントは何といっても、共通内容の多い「3級・2級・準1級」の3階級の内容をまとめて学べる構成になっていることです。秘書検定対策の専門スクールである「早稲田ワーキングスクール」が全面監修している教材は、試験に出るところに的を絞っているので、効率よく学べます。
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