持っているだけで武器になる国家資格

電気関係の仕事で不可欠な存在

「電験」は「電気主任技術者試験」の略称で、電気に関する専門的な知識と技術を持つ証となる国家資格です。
電験三種は電気関係の仕事に欠かせない資格として、電気業界におけるグレードが高く評価されています。

電気設備工事を保安監督するプロ

発電所や変電所、工場、ビルの受電設備や配線など、電気設備の工事・保守・運用に関する保安監督が主な仕事。
電験三種の資格を取得すると「電圧5万ボルト未満の電気工作物の工事、維持および運用の保安の監督」も可能に!
有資格者は電気業界はもちろん、建設会社やビル管理会社など、幅広い分野で活躍できます。

現場作業の他に、デスクワークも。

勤務する企業によって仕事内容や働き方はさまざまですが、ホテルやオフィスビル、工場やマンションなど、実際に現場に赴いて作業をすることが多く、あらゆる施設が仕事場に。
他にも作業報告書の作成など、デスクワークも業務に含まれます。

資格があればこんなに有利!

メリット1:設置義務があり高ニーズ

電気設備を設けている事業主は、工事・保守や運用などの保安の監督者として、電気主任技術者を選任することが法令で義務づけられています。そのため、有資格者は業界内には必須の存在。
また、オール電化が進む現代では社会的ニーズも高く、将来的にも需要のある注目の資格です。

メリット2:職場での評価がアップ

有資格者が社内にいることは、その企業の信頼性も高めることにもつながり、入社後も重宝されます。
企業にとって貴重な存在になり、キャリアアップも有利に!資格手当や昇進・昇給などの好待遇に結びつくチャンスもあり、安定収入も期待できます。

メリット3:就職・転職・再就職に

電気業界に身を置く方はもちろん、これから電力・電鉄・ビル管理などの業界へ就職・転職を考えている方にとっても、この資格は大きな力になります。
求人先によっては職務経験のありなしに関わらず、60歳以上でも就職が可能なことも。資格の価値が高いため求人数も多く、より良い環境や待遇の会社へと、選択肢が広がります。

実務経験のみで上級資格にチャレンジも

電験の資格には一種・二種・三種の3つがあり、三種よりもさらに上級の資格が一種と二種です。
三種を持っている人が所定の年数、実務に携わったという「就労証明」をすることで、上級の二種を無試験で取得することができます。
同様に二種取得後も、一種への実務経験によるステップアップが可能です。
無試験で上級資格を取れる国家資格は他にあまり例がなく、こうした点からも電験は大変有利な資格と言えます。

よくある質問

電験三種の受験資格は?

電験三種とは3種類ある電気主任技術者試験(電験)のうち、第三種という区分に該当する試験です。第三種の資格そのものを指す場合もあります。電気主任技術者は電気事業法に基づく国家資格で、事業用電気設備の保安監督を独占業務としています。該当する電気設備を設置する施設には必ず電気主任技術者を置かなくてはなりません。
電験三種は電気主任技術者の入門編に当たる資格です。仕事のニーズが高く就職や転職でも有利になるため、受験者に人気があります。

電験三種の受験資格には制限がなく、誰でも受験可能です。前年度および前々年度に科目合格した人は、該当科目の試験が申請することで免除されます。申込み方法には、インターネット申込みと書面申込みの2通りあります。
インターネットを利用する場合は、電気技術者試験センターの公式サイトにアクセスして手続きしましょう。必要事項を入力してから希望の決済方法を選んで受験手数料を納付します。書面で申し込む場合は、書店などで第三種電気主任技術者試験受験案内を入手します。受験案内にとじ込まれた受験申込書に必要事項を記入して郵便局の窓口に提出し、受験手数料を納付しましょう。いずれの場合も受験手数料納付後に受験票および写真票が郵送で届きます。

電験三種の資格取得方法は?

資格取得までのスケジュールを紹介します。
1)試験申込み
・上期試験:令和5年5月15日(月)~6月1日(木)
・下期試験:令和5年11月13日(月)~11月30日(木)
2)試験日
・上期試験:CBT方式 令和5年7月6日(木)~7月30日(日)/筆記方式 令和5年8月20日(日)
・下期試験:CBT方式 令和6年2月1日(木)~2月25日(日)/筆記方式 令和6年3月24日(日)
3)4科目合格後、経済産業大臣へ免状交付を申請
4)免状交付、資格取得

電験三種の試験では、申込みの際に試験地を選択できますが、試験会場は自動割当となり指定できません。最寄りの試験会場とならないこともありますが、変更できない点に注意しましょう。試験地は各府県と東京都(23区・多摩)、および北海道の6市から選べます。

受験の申し込み方法は書面とオンラインの2通りで、オンラインで申し込むほうがお得です。以下は、受験手数料です。
第三種 書面:8,100円、オンライン:7,700円
書面の場合、電気技術者試験センターや書店などで受験案内を入手し、必要事項を記入して郵送します。オンラインの場合は、電気技術者試験センターのホームページから申し込みを行います。
電験三種の試験は一次試験のみで、理論、機械、電力、法規の4科目から出題されます。

電験三種の難易度・合格率は?

電験三種の特徴は、過去に出題された問題と同じ問題がほとんど出題されないことです。類似問題でも出題形式が違うなど、基礎知識が身についていないと突破できない難関試験です。難易度は「やや難しい」とされ、受験者10人につき1人程度しか合格できません。

電験三種では4科目に合格することが必要ですが、前年度および前々年度に合格した科目が申請することで免除になる「科目別合格制度」があります。科目合格狙いの人やお試し受験の人、会社の指示で受験する人などが混在していることもあって、電験三種の合格率は低めですが、しっかり勉強すれば合格は可能です。
電験三種では、理論・電力・機械・法規の4科目から出題されます。合格基準は原則として60点以上(満点は100点)です。
もっとも難易度が高い科目は理論です。理論は他の3科目の基礎となる科目で、電気の性質や電気回路、電子回路などに関する幅広い知識が求められます。計算問題が非常に多いため、数学の知識も欠かせません。初めて電験三種に挑む人は、理論と数学の勉強から始めましょう。
電力は、発電所・変電所の設計・運転、送配電線路や電気材料といった電力系統全般を扱う科目です。機械では、変圧器などの電気機器、パワーエレクトロニクス、照明やデジタル回路など機械や回路に関する知識が問われます。電力と機械で学ぶ内容は密接に関係しているため、どちらから先に学んでも問題ありません。
法規で扱う内容は電気事業法や電気用品安全法などの法律や省令です。暗記も必要ですが、他の3科目を理解していないと解けない計算問題が出題されるため、最後に学ぶほうが効率的です。

電験三種には科目別合格制度があります。科目別合格制度とは、4科目のうち、前年度および前々年度に合格した科目の試験が申請することで免除される制度です。1年目ですべての科目に合格する必要はなく、3年間で4科目に合格すれば資格取得が可能です。
全科目合格率は10%以下と難関ですが、科目合格率は30%前後と高めです。あらかじめ長期的な計画を立てて勉強に取り組み、数年かけて合格を目指す人も少なくありません。

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一定規模以上の電気設備の管理、工事の保安監督を行う電気のスペシャリストである電験三種。電気設備を設けている事業主は、工事・保守や運用などの保安の監督者として、電気主任技術者を選任しなければならないことが法令で義務づけられています。そのため有資格者は業界内になくてはならない存在となり、非常に高く評価されます。電験三種の資格があればキャリアアップはもちろんのこと、転職・就職に有利ですので、昇進・昇給を考えている方、定年後に再就職を考えている方におすすめの資格です。
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