2020.12.03
withコロナ時代の働き方と学び方に関する意識調査
通信教育を手掛ける株式会社ユーキャン(本社:東京都新宿区、 代表取締役社長:品川泰一)は、 今年最大のトピックスとなった新型コロナウイルス感染拡大を受けて、 人々の働き方がどう変化したのか・学びや資格に対する意識がどう移り変わったのかを明らかにすべく、 20代〜50代の男女430名を対象に意識調査を実施しました。 調査の結果、 コロナ禍を機に資格取得のための勉強を3割以上の人が始めたことが判明。 また4割ほどの方がコロナ禍では「ストレスに負けない精神力」が大切と回答し、 「withコロナ時代に取得したい資格」1位にも「メンタルヘルス・マネジメント(R)検定」が選ばれました。
◇調査結果トピックス
【1】現在リモートワークを実施している人は47.2%、今後もリモートワークを続けたいと思う人は78.5%
【2】コロナ禍以降「今の企業で働き続けられるか不安になる機会が増えた」55.8%、「ストレスを感じる機会が増えた」53.5%。企業選びには「収入」「ワークライフバランス」を重視する傾向あり。
【3】withコロナ時代に活躍するために重要な能力、1位は「ストレスに負けない精神力」。今まで以上に資格取得の必要性を感じるようになった人は計56.0%、コロナ禍を経て勉強を新たに始めた方は計30.9%
【4】「withコロナ時代に取得したい資格」1位は「メンタルヘルス・マネジメント(R)検定」
【トピックス1】
現在リモートワークを実施している人は47.2%、今後もリモートワークを続けたいと思う人は78.5%
メリットは「通勤時間不要」、デメリットは「同僚とのコミュニケーション不足」がそれぞれ首位に
新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の働き方や学び方に大きな影響を与えました。働き方において特筆すべきは、これまで一部企業の実施に留まっていたリモートワークが急速な広がりを見せたことではないでしょうか。まず本調査ではこのリモートワークに着目し、新しい働き方が半年間ほど続いた今、皆さんがどう思っているのかを質問しました。
リモートワークの頻度に関して尋ねたところ、2020年4月ごろは、ほぼ毎日リモートワークをしていた方が25.1%、1週間に1日でもリモートワークをしていた方が計55.6%という結果となりました。それに対して、現在(2020年11月)の状況については、毎日リモートワークしていると答えた方は17.7%、1週間に1日でもリモートワークをしている方が計47.2%でした。緊急事態宣言が解除されてからしばらく経ち、一部の方は出社しての業務に戻った様子ですが、未だ半数近くの方はリモートワークを活用して働いていることが分かります。
また、リモートワークの実施状況について企業規模別にみると、現在、1週間に1日でもリモートワークをしている方の割合は、大企業(従業員1000人以上)で働く方は62.4%に対し、従業員99人以下の企業で働く方は31.4%に留まりました。リモートワークの制度導入や事業内容の問題からか、その実施状況については企業規模によって違いが大きいようです。
次に、リモートワークを経験した方々に対して、仕事に使う時間やその質がどう変化したかを質問しました。時間については32.1%の方が仕事に使う時間が増えた、19.5%の方が減った、45.1%の方が変わらないと回答。時間的な変化がない方が多い一方で、慣れない業務環境や終わり時の定めづらさの影響もあってか、3割程度の方は今まで以上に仕事に時間を使うようになった様子です。
仕事の質については、23.2%の方が「仕事の質は上がると思う」、31.7%の方が「仕事の質が下がると思う」、40.7%の方が「仕事の質は変わらないと思う」と回答。こちらも変わらないと考える人が最多となりましたが、質に変動があったと答える方も一定数いらっしゃいました。
具体的なリモートワークのメリットに関しては、69.5%もの方が「通勤時間が不要になる」ことがメリットだと回答。以下「好きな場所で暮らせる/働ける」(46.3%)、「私服で働くことができる」(35.8%)と続きました。場所や服装等の制限がなくなったことを、多くの人が好意的にとらえていることが分かります。
自由回答の項目では、
「紙の書類が多いのでリモートワークは無理だと思っていたが、そんなことはなかった」(49歳・女性)
「仕事に係る心理的・身体的なストレスから解放され、ゆとりある生活が出来ている」(42歳・女性)
といった声もあり、最初は不安に感じていたものの、やってみると上手く順応できたという方が多い様子です。
一方のデメリットについては、50.8%の方が「同僚とのコミュニケーションが減る」ことを挙げました。以下「プライベートと仕事の境界があいまいになる」(49.2%)、「仕事ができる環境やスペースを自分で整える必要がある」(36.2%)となり、気楽さはありつつも一部で不自由さを感じている事が分かりました。
自由回答では以下のような声があがりました。
「データ処理等、書類を出力しないとならない場面で慣れるのに工夫が必要だった」(56歳・女性)
「仕事の阿吽のコミュニケーションがなくなるので、仕事が薄っぺらくなった」(47歳・男性)
また、メリット・デメリットともに「特にない」と回答した方は少数(それぞれ2.8%、6.9%)に留まり、ほとんどの方が良い面も悪い面もリモートワークに見ていることが分かります。
リモートワークに関する質問の締めくくりとして、「今後もリモートワークを続けたいと思うか」聞いたところ、「続けたい」と答えた方が43.5%、「どちらかというと続けたい」と答えた方が35.0%と、合計78.5%もの方がリモートワークの継続を望んでいました。メリット・デメリットはありつつも、賛成・反対どちらかと問われれば、一度リモートワークを始めた方の多くが、リモートワークを好意的にとらえていることが分かりました。 企業規模別にみると、「続けたい」もしくは「どちらかというと続けたい」と継続を望んだ人の割合は、大企業(従業員1000人以上)で働く方で85.3%に対し、従業員99人以下の企業で働く方は66.0%に留まり、リモートワークの実施状況と同じく企業規模によって差が生まれる結果となりました。従業員99人以下の企業で働く方では、リモートワークのデメリットとして「プライベートと仕事の境界があいまいになる」「緊急時の対応が難しい」を上げる方の割合が他の企業規模と比べて多くなっており、今後のリモートワーク導入の課題となりそうです。
【トピックス2】
コロナ禍以降「今の企業で働き続けられるか不安になる機会が増えた」55.8%、「ストレスを感じる機会が増えた」53.5%。企業選びには「収入」「ワークライフバランス」を重視する傾向あり
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、リモートワークをはじめ働き方そのものが大きく変わったのはもちろんですが、今まで以上に先の見えない時代における働き方に不安を感じている方も少なくありません。
事実、「新型コロナウイルスの感染が広がってからとそれ以前を比べて、今の企業・ポジションで働き続けられるか不安になる機会が増えたか」という質問に対しては、「増えた」「やや増えた」と回答した方が計55.8%という結果になりました。同様に、「ストレスを感じる機会が増えたか」という質問についても「増えた」「やや増えた」と回答した方が計53.5%と、多くの方が不安を覚えていることが分かります。
そんな不安を抱える中で、今後働くにあたって重要と捉えられていることは何なのかを明らかにするため、続いて「働く企業や働き方を決めるにあたって大切にしたいことは」という質問を行いました。その結果、1位「収入」(50.2%)、2位「ワークライフバランス」(40.5%)、3位「休日や残業時間」(37.0%)という順位になりました。一方で「職場の立地」については14.4%の回答に留まりました。
制度面に関して「どのような勤務制度や条件を魅力的だと感じますか」と尋ねたところ、「週休3〜4日制」(35.1%)、フレックスタイム制(32.6%)、リモートワーク可能(32.3%)等が上位に上がりました。
【トピックス3】
withコロナ時代に活躍するために重要な能力、1位は「ストレスに負けない精神力」!
今まで以上に資格取得の必要性を感じるようになった人は計56.0%、コロナ禍を経て勉強を新たに始めた方は計30.9%
働き方の現状に続いて、そんな状況下で多くの方がどのようにスキルアップ・学びを捉えているのかを調査いたしました。まず、「withコロナ時代、社会で活躍するに際して重要だと思う能力は何か」と尋ねたところ、1位「ストレスに負けない精神力」(39.1%)、2位「自分自身で業務をこなすための自己管理能力」(37.0%)、3位「問題を解決するための論理的な思考力」(27.9%)という結果となりました。「ストレスを感じる機会が増えた」と半数以上の方が回答した先の質問と合わせると、人との接し方が大きく変わった世の中において、ストレスとどう向き合うかを重要視している方が多いことが分かります。
また、「働き方が多様化する中、より個人のスキルアップが求められると思いますか」という質問に対しては、47.2%の方が「求められると思う」と回答。「どちらかというと求められると思う」とした方と合わせると、8割以上の方が今後はよりスキルアップが求められると感じていることが分かりました。
スキルアップの手段の一つである資格取得に目を向けても、「withコロナ時代、自宅で過ごす時間が増える中、資格取得に対する意識はどう変化しましたか?」という問いに計56.0%の方が「今まで以上に必要性を感じるようになった」と回答しました。必要性を感じた方からは、「セミナーなどの参加機会が減り、自ら進んで学んでいく必要性を感じた」(45歳・女性)「空き時間が増え時間を持て余してしまっている」(29歳・男性)といった声がありました。
「新型コロナウイルスの感染が広がって以降、新しく資格を取得しましたか? あるいは、取得のための勉強を始めましたか?」という質問に対しては、勉強を新たに始めた方が計30.9%、勉強をしたいと思っている人を合わせると計61.1%という結果になりました。
事実、ユーキャンでもコロナ禍で受講お申込数が前年比162%(4~8月、ウェブからのお申込数)と大きく増加しており、自宅で過ごす時間が増えていることを有効に活用して、資格取得に挑戦する方が増えているようです。
【トピックス4】
「withコロナ時代に取得したい資格」No.1は「メンタルヘルス・マネジメント(R)検定」!
新しい環境でのストレス・それに負けない精神力への注目を反映する結果に
新しい時代の働き方と学び方、そして資格取得に関する興味関心を踏まえた上で、最後にwithコロナの中で取得すべきだと思う資格について調査を行いました。結果、1位には「メンタルヘルス・マネジメント(R)検定」(14.0%)が選ばれました。先述の「withコロナ時代、社会で活躍するに際して重要だと思う能力は何か」で「ストレスに負けない精神力」が最も注目を集めたのと同様に、新しい環境下でのストレスとどう向き合うべきか気になっている方が多い事が分かります。選んだ方からは「いろんな意味でストレスを抱える人が増えそうだから」(54歳・男性)「ストレス社会と向き合うのはどんな人も避けられない」(35歳・女性)など、誰しもが必要になるスキルなのではないかという意見が見られました。
2位と3位には、リモートワークでも変わらず必要になるITスキルへの関心からか、「ITパスポート」「マイクロソフト・オフィス・スペシャリスト(MOS)」がランクイン。ITパスポートを選んだ方からは「コロナによるデジタル化を受けて」(24歳・女性)といった声が、MOSを選んだ方からは「リモートワークをする上での基本的なスキル」(55歳・男性)といった声がそれぞれ寄せられました。
4位以降には、例年ユーキャンで実施している調査でも関心の高い「ファイナンシャルプランナー(FP)」「TOEIC(R)テスト」「簿記」などが登場。FPや簿記を選んだ方からは「コロナの影響で収入が大きく変わる可能性があり、お金の管理が重要になってくるから」(30歳・男性)など、不安定な状況でますます高まるお金への心配と感心がうかがえました。
調査の結果、新型コロナウイルスの感染拡大は、人々の働き方はもちろんのこと、学び方や資格への関心にも影響を与えていることが分かりました。ストレスや不安を感じる機会が増える中で、社会人として新しいスキルを身につける・資格取得を目指すことは、少しでも前へ進んでいくきっかけになるのではないかと考えています。学びを通して一人でも多くの方がより豊かな人生を過ごせるよう、ユーキャンはこれからも活動を続けてまいります。
■「コロナで変わる理想の働き方」とは?
特設サイトURL: https://www.u-can.co.jp/workstyle2021
ユーキャンでは、 本調査と合わせ毎年実施している「2021年のトレンド予測」についても意識調査を実施しました。 詳しくは下記特設サイトをご覧ください。
■2021年に「武器になる資格」とは?
特設サイトURL: https://www.u-can.co.jp/2021shikaku
■調査概要
調査名:2021年のトレンド予測とwithコロナ時代の働き方と学び方に関する意識調査
調査対象:20代〜50代の男女 430名(男性217名、女性213名)
実施期間:2020年11月3日〜9日
実施方法:インターネット調査
対象地域:一都三県
※グラフのパーセンテージは四捨五入されているため合計値が100にならないものもございます。