2015.12.10
2016年のトレンド予測と資格取得に関する意識調査
来年1月の制度開始で「社会保険労務士」の資格ニーズは「増える」81.2%
2015年もあとわずか。今年は、安保法案の可決、ドローン問題、2020年東京五輪エンブレムデザインをめぐる騒動など、経済面でも文化面でも様々な出来事がありましたが、来年はどんな年になるのでしょうか? 2016年に話題になりそうなことから考えて、これからの時代に役立ち、求められる資格とは――。
通信教育を手掛ける株式会社ユーキャン(本社:東京都新宿区、代表取締役社長:品川泰一)は、今年1年を振り返りつつ、2016年のトレンド予測と資格取得に関する意識調査を実施し、20〜40代男女996名から回答を得ました。
【トピックス1】2015年に起きた出来事のうち、印象に残ったもの:「マイナンバー通知」「ドローン問題」
本調査対象者全員に対し、2015年に起きた出来事のうち印象に残ったものを聞いたところ、政治・経済面では1位が「マイナンバー通知スタート」(44.7%)、2位が「杭打ちデータ改ざん問題」(33.4%)、3位が「ISILによる邦人拘束事件」(32.9%)という結果に。一方、文化・スポーツ・自然/科学技術関連では、1位「ドローン問題」(40.1%)、2位「又吉直樹さん『火花』、芥川賞受賞」(38.4%)、3位「2020年東京五輪、エンブレムデザイン盗作騒動」(37.9%)が選ばれる結果になりました。
◆ドローン操縦に「免許」、約3人に2人が「必要」と回答
国内では、本日12月10日より、ドローンの夜間や住宅密集地での飛行を制限する「改正航空法」が施行されました。
諸外国においても、機体の登録制度や操縦の免許制度の導入が検討されるなど、2015年は、その安全性を巡って様々な議論が交わされた一年と言えますが、一般生活者はその必要性をどう感じているのでしょうか。
本調査対象者全員となる20〜40代男女996名に「あなたは、ドローンを操縦する資格として、免許は必要だと思いますか?」と尋ねたところ、「かなり必要だと思う」26.7%、「まあまあ必要だと思う」40.7%と、約3人に2人にあたる67.4%が「必要」と答えました。
その理由に「危険だから(20代女性)」「安全面・プライバシーの事もあるので、ちゃんと知識を身に付けるべきだと思う(40代女性)」など、その危険性を不安視する意見が挙げられた一方で、「ラジコンとの区別が曖昧で、ラジコンまで規制されたくない(40代男性)」「講習程度は必要かもしれないが免許まではいきすぎだと思う(20代男性)」など、規制の必要性を疑問視する意見も多く挙げられました。
未だ議論が分かれる「ドローン問題」は2016年以降も注目を集め、様々な議論が交わされることが予想されます。
【トピックス2】2016年に話題になりそうなこと:「マイナンバー制度開始」「ラグビーブーム&オリンピック」
次に、2016年に予定されている出来事や話題になりそうなトピックのうち、気になるものを聞いてみました。
政治・経済面での気になるトピックを聞いたところ、62.7%の人が「『マイナンバー制度』開始」と回答し、来年話題になりそうなこととしても1位に選ばれました。次いで、「『18歳選挙権(改正公職選挙法)』施行」と「サークルKサンクス、ファミリーマートと経営統合」が同率2位(25.0%)、3位「『北海道新幹線』開業」(24.6%)、4位「『電気事業法』改正」(24.1%)、5位「『アメリカ大統領選』実施」(19.0%)などが選ばれました。
一方で、文化・スポーツ・自然/科学技術関連のトピックでは、今年の盛り上がりを受けて続く「ラグビーブーム」と「リオデジャネイロオリンピック」が同率1位(27.2%)として選ばれ、続いて「任天堂初のスマホアプリ提供」(14.8%)、「新たな祝日『山の日』実施」(13.4%)という結果になりました。
◆8割以上が「来年1月からの制度開始で、社会保険労務士の資格ニーズは“増える”」と回答
資格アドバイザーが考える、2016年注目の資格とは?
2015年に話題になったこと・2016年に話題になりそうなことの両方で1位となった「マイナンバー」は、来年1月からいよいよ制度開始となります。この制度と密接な関わりがある資格「社会保険労務士」のニーズには、8割以上が「増える」と回答するなど、注目度の高まりが予想されますが、2015年・2016年のトレンドに見る注目資格について、資格アドバイザー・鈴木秀明氏に話を伺いました。
「今年はやはりマイナンバー制度に関する社会保険分野の専門家資格である社労士が注目されたように思います。それに関連してかどうかはわかりませんが、社労士試験は例年合格率が7〜8%程度であるところ、今年の試験は合格率2.6%と異例の超狭き門になりました。今後も、税制や社会保険分野に関することだけでなく、情報管理や法務、セキュリティなど様々な領域で社会的な変化やニーズ、問題点が出てくるかと思います。これを逆に新たなビジネスチャンスに転換できる可能性もあります。試験の難化傾向が続いていくのかはもちろん、今後の社労士の動向には大いに注目していきたいところです。」
【トピックス3】2016年に取っておくと武器になりそうな資格、
なんと3年連続で「ファイナンシャルプランナー(FP)」が1位に!
2016年に予定されている出来事を踏まえた上で、2016年に武器になりそうな資格を聞いてみたところ1位は「ファイナンシャルプランナー(FP)」、2位「TOEIC(R)」、3位「社会保険労務士」、4位「ケアマネージャー(介護支援専門員)」5位「宅建」という結果になり、「ファイナンシャルプランナー(FP)」は3年連続で1位という結果になりました。
2016年に、実際に取ってみたい資格について聞いた質問でも、1位が「ファイナンシャルプランナー(FP)」という結果に。次いで2位に「TOEIC(R)」がランクイン。そして「情報処理技術者試験」「食生活アドバイザー(R)」「簿記」が同数3位となりました。
資格アドバイザー・鈴木秀明氏に、「ファイナンシャルプランナー(FP)」人気の理由・背景について聞きました。
「『取ってみたい資格』について、世相を反映してか、FPやTOEIC、社労士といった資格のニーズが安定して高い傾向にあります。昨年の調査では、一昨年の数値とはさほど変化のない結果だったのですが、今年はそれだけ皆さんの意識や価値観が変わるような様々な出来事があった年だったのかなと思います。増税や年金制度改革など、近年『暮らしにまつわるお金』に関する法改正等が続いていることから、世間一般的にマネーに対する関心が高まってきていることが考えられます。専門書やwebでの情報収集も大事ですが、FP試験を通じてベースとなる知識を体系的に学んでいるかいないかで、理解度は大きく変わってくると思います。
とくに近年では、日本FP協会のテレビCM放映や、テレビ番組にファイナンシャルプランナーの方が専門家として出演する機会が増えてきていることで、これまで諸外国と比べて認知度が低かった『FP』という専門家の存在自体が日本にも徐々に根付いてきているのかもしれません。」とのこと。
住宅ローンや保険料の見直し、資産運用まで、日常生活に身近で、様々な場面で役立つ「ファイナンシャルプランナー(FP)」の資格ニーズは、今後もますます伸びてくるのではないでしょうか。
■参考情報
過去2年分の調査結果は、こちらのページで公開しています。
・2013年調査:20代〜40代男女に聞いてみた!2014年の注目資格は?
・2014年調査:20代〜40代男女に聞いてみた!2015年の注目資格は?
■資格アドバイザー 鈴木秀明さんのプロフィール
All About「資格」ガイド。東京大学理学部卒。東京大学公共政策大学院修了。
取得資格は行政書士、中小企業診断士、気象予報士、証券アナリスト、
宅建、FP1級をはじめとして430個以上(2015年11月現在)。
「資格アドバイザー」「ライセンスアセッサー」として
雑誌・ラジオ・テレビなどへのメディア出演実績はのべ100件以上。
■調査概要
調査名:2016年のトレンド予測と資格取得に関する意識調査
調査対象:20代〜40代の男女 996名(男性498名、女性498名)
実施期間:2015年11月13日〜11月18日
実施方法:インターネット調査
対象地域:全国
※グラフのパーセンテージは四捨五入されているため合計値が100にならないものもございます。
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