2013.08.29
アベノミクス「女性が輝く日本」に関する意識調査
株式会社ユーキャンは、ビジネスパーソンを対象に、アベノミクス3本目の矢「成長戦略」の中で挙げられている「女性が輝く日本」に関する意識調査を実施しました。
4月19日に首相官邸から発表(※)されたアベノミクス3本目の矢「成長戦略」の中で、「女性が輝く日本」と題して、女性の社会進出が重要課題の一つに挙げられました。女性の社会進出については、他の先進国に比べて日本が非常に低水準であることへの懸念などから、安倍政権発足前からもさまざまな議論がされていますが、具体的な政策・数値目標が示されたのは実質初と言えます。この「女性が輝く日本」に関する成長戦略の具体的目標は主に以下の6項目です。
・2020年の25歳〜44歳の女性就業率を73%にする(2012年68%)
・「3年間抱っこし放題」で育児休業期間を子供が3歳になるまで延長/その後の職場復帰を支援
・2020年の第1子出産前後の女性の継続就業率を55%にする(2010年38%)
・2020年の男性の育児休業取得率を13%にする(2011年2.63%)
・指導的地位に占める女性の割合を2020年までに30%程度にする
・2017年度までに約40万人分の保育の受け皿を整備し待機児童解消を目指す
(※中期目標として2014年度で約20万人分の保育の受け皿を整備する)
このように、目標実現のためには法人個人・性別を問わず、理解協力が期待される内容となっています。この「女性が輝く日本」に対して、当事者であるビジネスマン・ビジネスウーマン達はどのような意識を持ち、またどう評価しているのでしょうか。その実態を調べるため、通信教育を手掛ける株式会社ユーキャン(東京都新宿区、代表取締役社長:品川泰一)は、全国20代〜50代のビジネスマン・ビジネスウーマン(合計654名)を対象に「女性が輝く日本に関する意識調査」を実施しました。
●調査実施概要
調査方法 |インターネット調査
有効回答数 |654名
調査日 |2013年7月26日〜7月28日
男女比 |男性:50.3% 女性:49.7%
年齢 |20代:25.2%、30代:24.8%、40代:24.8%、50代:25.2%
未既婚 |未婚者:48.5%、既婚者:44.2%、離婚・死別:7.3%
子供の有無 |子供有:37.0%、子供無:63.0%
調査地域 |全国
調査対象 |有職者(パート・アルバイトを除く)
◇「アベノミクス成長戦略「女性が輝く日本」に関する調査結果!」
●トピックス
「待機児童の解消」で期待される女性の就業率アップ
1.「女性が輝く日本」の項目別評価1位:「待機児童の解消」(72.9%)
復職のキーとなるのは、「出産前までに培ったキャリア」という財産
2.男性の88%、女性の92%が「女性の出産後の復職」に賛成
最大の理由は「出産前までに培ったキャリアの活用」(59.0%)
女性の能力は、まだ発揮しきれていない
3.男性の85%、女性の90%が「女性が管理職に就くこと」に賛成
最大の理由は「仕事で女性の能力を発揮できる機会を増やすべき」(58.3%)
制度が充実しているだけでは×
4.出産後に働くために必要なもの=男性「待機児童解消」、女性「働きやすい社会のムード」
女性が管理職に就くために必要なもの=7割の女性が「キャリアアップ・スキルアップ」
語学が安定の人気。2位以下から見える数字に強い女性としての「パワーアップ」復職
5.出産後もこれまでどおり働くために準備することは?=女性の57.2%が「資格取得」
男女共通1位=TOEICその他外国語検定、2位=簿記、3位=ファイナンシャルプランナー
浮き彫りになった男女意識の差
6.“適正”と考える育児休暇期間の感覚=女性の方が男性より5か月間「短い」
●詳細
「待機児童の解消」で期待される女性の就業率アップ
1.「女性が輝く日本」の項目別評価1位:「待機児童の解消」(72.9%)
はじめに、「女性が輝く日本」で示された具体的な政策・数値目標に対する評価を、6つの項目別に聞いてみたところ、「とても評価する」と「まあまあ評価する」を合わせた「評価する」の回答は全項目を通して50%を超え、最も評価が高かったのは「待機児童の解消(72.9%)」、次いで「25歳〜44歳の女性就業率向上(68.3%)」、「第1子出産前後の女性の継続就業率向上(64.1%)」となりました。この結果から、これらの政策目標についての評価は総じて高く、特に「待機児童の解消」が重要と認識されている様子がうかがえました。
復職のキーとなるのは、「出産前までに培ったキャリア」という財産
2.男性の88%、女性の92%が「女性の出産後の復職」に賛成
最大の理由は「出産前までに培ったキャリアの活用」(59.0%)
女性が出産後に復職することに対する意見を聞いてみたところ、「とても良いことだと思う(41.1%)」と「まあまあ良いことだと思う(49.5%)」を合わせた「良いことだと思う」の意見は、90.6%と圧倒的多数となりました。男女別で比較すると、男性=88.8%・女性=92.6%と女性がやや上回るももの、男女を通して前向きに捉えている様子がうかがえました。
さらに女性の出産後の復職を「良いことだと思う」理由について聞いてみたところ、1位:「出産前までに培ったキャリアの活用(59.0%)」、2位:「仕事が好きなら出産後も続けるべき(52.1%)」、3位:「家計を支えるため(48.9%)」、となりました。この結果を男女別で比較してみると、ほぼ全ての項目で女性の回答率が男性を上回っていることから、女性がより前向きな姿勢であることがうかがえます。
女性の能力は、まだ発揮しきれていない
3.男性の85%、女性の90%が「女性が管理職に就くこと」に賛成
最大の理由は「仕事で女性の能力を発揮できる機会を増やすべき」(58.3%)
女性管理職が増えていくことに対する意見を聞いてみたところ、「良いことだと思う」の意見は、87.9%とこちらも圧倒的多数となりました。男女別に見てみると、男性=85.1%・女性90.8%であったことから、女性がより「女性管理職の増加」を前向きにとらえていることはもちろん、男性でも女性管理職を支持している割合が意外に高いことがわかりました。
さらに、「良いことだと思う」理由を聞いてみたところ、1位:「仕事で女性の能力を発揮できる機会を増やすべき(58.3%)」、2位:「古い職場慣習からの脱却(41.0%)」、3位:「活躍する女性が増えることで経済活性化につながる(37.2%)」、4位:「国際社会における日本の評価向上(25.0%)」、5位:「女性の活躍が評価されることで、女性の出世意欲が高まる(23.5%)」となりました。
「女性の出産後の復職」と「女性管理職の増加」について、約9割の人が「良いこと」と意識しているが、現状の職場環境には「女性が活躍できる機会」が不足しており、改善の余地が残されている状況と言えます。
制度が充実しているだけでは×
4.出産後に働くために必要なもの=男性「待機児童解消」、女性「働きやすい社会のムード」
女性が管理職に就くために必要なもの=7割の女性が「キャリアアップ・スキルアップ」
次に「女性が結婚・出産後も仕事を続けるために必要なこと」と、「女性が管理職に就くために必要なこと」について聞いてみました。まず、「女性が結婚・出産後も仕事を続けるために必要なこと」について男性に意見を聞いたところ、1位:「保育の受け皿整備(待機児童の解消)(65.7%)」、2位:「産後の女性が働きやすい職場の制度(64.2%)」、3位:「妻が仕事を頑張ることに対する夫の理解と協力(62.0%)」となりました。一方、女性では1位「産後女性が働きやすい社会のムード(77.0%)」、2位:「保育の受け皿整備(待機児童の解消)(76.4%)」、3位:「産後の女性が働きやすい職場の制度(75.8%)」という結果に。待機児童解消や職場の制度といった実質的な要素も必要ですが、それ以上に、女性が産後も働くことを受け入れるような考え方・ムードが社会全体に浸透することを女性は望んでいるようです。
「女性が管理職に就くために必要なこと」について女性に聞いてみたところ、圧倒的1位は「女性自身のキャリアアップ、スキルアップ(69.6%)」、以降「女性自身のモチベーション(62.4%)」、「会社や職場の同僚、上司の理解(59.6%)」、「妻が仕事を頑張ることに対する夫の理解と協力(55.0%)」「産後の女性が働きやすい職場の制度(45.7%)」と続きました。この設問結果においても以下の通り、全ての項目で女性の回答率が男性を上回っていることから、出産後の継続就業と女性が管理職に就くことに対する、女性の真剣な姿勢が確認できる結果となりました。
語学が安定の人気。2位以下から見える数字に強い女性としての「パワーアップ」復職
5.出産後もこれまでどおり働くために準備することは?=女性の57.2%が「資格取得」
男女共通1位=TOEICその他外国語検定、2位=簿記、3位=ファイナンシャルプランナー
女性が結婚・出産前と同様に仕事を続け、これまで以上に活躍するために準備しておくべきことについて女性に聞いてみたところ、1位:「仕事に関する資格を取得する(57.2%)」、2位:「ビジネススキルや教養を身に付ける(52.0%)」、3位:「(資格以外の)専門知識やスキルを身に付ける(51.7%)」となりました。
さらに、出産後も女性が仕事を続け、会社の中でこれまで以上に活躍できるようになるために取得しておくべき資格についても聞いてみたところ、女性での圧倒的1位は「TOEICその他外国語検定(52.7%)」。2位・3位はそれぞれ「簿記検定(30.1%)」、「ファイナンシャルプランナー(FP)(28.0%)」とお金に関連する資格を重視、4位は「マイクロソフトオフィススペシャリスト(22.0%)」となり、この順位は男性でも同様となりました。5位以降10位までを男女別で比較してみると、以下の通り順位が異なりますが、「医療事務」「秘書検定」「情報処理技術者」「行政書士」が共通でランクインしました。
浮き彫りになった男女意識の差
6.“適正”と考える育児休暇期間の感覚=女性の方が男性より5か月間「短い」
最後に、育児休暇期間はどのくらいが適正だと思うかについても聞いてみたところ、男性回答の平均値が2年1ヶ月だったのに対して、女性は1年8ヶ月と、およそ5ヵ月も短く考えていることがわかりました。男女別の回答結果は以下の通りで、最も多かった回答は男女共に「1年間」でしたが、「2年間」以上の回答比率は女性よりも男性が高く、「半年間」以下の回答比率は、男性よりも女性が高いことが確認できます。少しでも早く復職したいという女性の前向きな思いが反映される結果となりました。
今回の調査で「女性の社会進出」は、ほぼ全てのビジネスマン・ビジネスウーマンに支持され、「女性が輝く日本」の具体的な政策・目標に対する評価も総じて高いこと、また女性のより前向きな姿勢と共に、実現に向けて必要とされている課題についても確認されました。
社会進出をされたい女性、またそれを支持される皆さまは、ぜひご参考になさっていただきたいと思います。株式会社ユーキャンは、皆さまのキャリアアップ・スキルアップのお役に立てますよう、より充実した講座の提供に努めて参ります。
◇「アベノミクス成長戦略「女性が輝く日本」に関する調査結果!」
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