電気工事士とは?仕事内容・試験概要・合格率を詳しく紹介【第一種/第二種】
電気工事士の仕事内容や試験について詳しく解説します。また、電気工事士の資格を取得するメリットも紹介します。
電気工事士とは国家資格の1つで、電気を安全に快適に使うための工事や管理を行う専門技術者です。この記事では、電気工事士の資格取得を検討している人に向けて、第一種・第二種電気工事士試験の難易度を解説します。試験の合格率・概要・効率的な勉強法なども紹介するので、参考にしてください。
電気工事士試験は、国家資格の中では難易度が比較的低いです。同じく電気に関する国家資格である電気主任技術者の試験は、取得に3年以上かかることもあると言われる難易度の高い資格試験です。電気工事士の資格試験には第一種と第二種の2種類があり、それぞれ学科試験と技能試験が設けられています。
電気工事士試験は、第二種よりも第一種の方が難易度は高くなっています。第二種は、電気工事関係の人だけでなく高校生や専門学生、キャリアアップを目指す人など幅広い層が受験します。第一種の受験者は、電気工事従事者が中心です。第一種の資格取得者の方が、行える仕事の範囲が広いため、試験範囲も広くなり、難易度が高めとなっています。
技能試験は、事前に候補問題が公表されるため、前もって練習することが可能です。学科試験が免除されることもあり、その場合、技能に集中した勉強ができます。候補問題が公表されますが、事前に練習していない場合は、当然、難易度は高くなります。学科試験は、暗記問題が中心となるため、試験範囲をしっかりと勉強しておく必要があります。
第一種電気工事士は、ビル・工場などの大規模な現場での工事に対応できます。大型施設の配線・大型機材の制御回線の管理など、幅広い業務が行えます。電気工事のスペシャリストであり、仕事がなくなる可能性が低く、多くの企業で重宝されるため、転職にも有利です。
第二種電気工事士は、住宅・マンション・小規模のオフィスなどの電気工事に対応できます。
ビルのメンテナンスや設備管理にも欠かせない資格であり、リフォームや建物の改築など、活躍の場は多いです。日常生活に関わる職種であるため、需要がなくなることはありません。
第一種電気工事士試験の合格率や出題科目について解説します。
第一種電気工事士試験の合格率は、学科試験は40%前後、技能試験は、近年上昇傾向にあり、60%前後です。
第一種電気工事士試験の受験者数・合格率
合格率(学科) | 受験者数(学科) | 合格率(技能) | 受験者数(技能) | |
---|---|---|---|---|
平成26年度 | 42.9% | 38,776人 | 58.0% | 19,645人 |
平成27年度 | 42.7% | 37,808人 | 70.9% | 21,739人 |
平成28年度 | 50.3% | 39,013人 | 61.6% | 23,677人 |
平成29年度 | 47.0% | 38,427人 | 63.5% | 24,188人 |
平成30年度 | 40.4% | 36,048人 | 62.7% | 19,815人 |
令和元年度 | 54.1% | 37,610人 | 64.7% | 23,816人 |
令和2年度 | 52.0% | 30,520人 | 64.1% | 21,162人 |
令和3年度 | 53.5% | 40,244人 | 67.0% | 25,751人 |
令和4年度 | 58.2% | 37,247人 | 62.7% | 26,578人 |
令和5年度 | 61.6% | 33,035人 | 60.5% | 26,143人 |
第一種電気工事士試験は年2回実施され、試験の実施時期は、例年、次の通りです。
・上期試験(学科試験:CBT方式4月上旬~5月上旬、筆記方式なし/技能試験:7月上旬)
・下期試験(学科試験:CBT方式9月上旬~中旬、筆記方式10月上旬/技能試験:11月下旬)
受験手数料はインターネットによる申込の場合10,900円、書面(受験申込書)での申込の場合11,300円となります。
第二種電気工事士試験の合格率や出題科目について解説します。
第二種電気工事士試験の合格率は平成9年度あたりから上昇しており、近年では学科試験は60%前後、技能試験は70%前後と高いです。
第二種電気工事士試験の受験者数・合格率
合格率(学科) | 受験者数(学科) | 合格率(技能) | 受験者数(技能) | |
---|---|---|---|---|
平成26年度 | 59.0% | 105,528人 | 74.1% | 77,881人 |
平成27年度 | 58.8% | 118,449人 | 70.7% | 84,072人 |
平成28年度 | 58.6% | 114,528人 | 73.3% | 84,805人 |
平成29年度 | 59.0% | 112,379人 | 68.8% | 81,356人 |
平成30年度 | 55.4% | 123,279人 | 67.4% | 95,398人 |
令和元年度 | 65.9% | 122,266人 | 65.2% | 100,379人 |
令和2年度 | 62.1% | 104,883人 | 72.4% | 72,997人 |
令和3年度 | 59.1% | 156,553人 | 72.8% | 116,276人 |
令和4年度 | 55.9% | 145,088人 | 72.5% | 97,659人 |
令和5年度 | 59.4% | 134,025人 | 71.0% | 95,337人 |
第二種電気工事士試験は年2回実施され、試験の実施時期は、例年、次の通りです。
・上期試験(学科試験:CBT方式4月下旬~5月中旬、筆記方式5月下旬/技能試験:7月下旬)
・下期試験(学科試験:CBT方式9月下旬~10月中旬、筆記方式10月下旬/技能試験:12月下旬)
受験手数料はインターネットによる申込の場合9,300円、書面(受験申込書)での申込の場合9,600円となります。
電気工事士試験のための勉強方法について解説します。
学科試験対策としては、第一種・第二種共に、参考書や過去問題集を使って繰り返し勉強すること、また技能試験に関しては、練習を積み重ねることが重要です。実際に試験で使う工具や材料をそろえて、公表されている候補問題を完成させる作業を繰り返しましょう。
電気工事士試験は、第一種と第二種があり、比較的難易度の低い国家資格といえます。学科試験は暗記が中心となり、技能試験は事前に候補問題が公表されるため、試験のための勉強がしやすい資格試験です。
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電気工事士の年収は400万~500万円です。ただし、現場の規模・経験・資格などで大きく変わり、中には年収600万円以上の求人もあります。
第一種電気工事士と第二種電気工事士では、工事できる作業範囲や試験難易度が異なります。第一種電気工事士のほうが扱える電圧の幅が広く、工場やビルなどの大規模な現場にも対応可能です。
第二種電気工事士とは、住宅や店舗など600V以下で受電する設備の新築・増改築時に、配線図どおりに屋内配線、コンセントの設置、アース施工などを行う専門技術者のことです。これらの作業で不備があると、感電や火災など、事故の原因となる危険があるため、有資格者でないと作業ができません。そのため、ニーズが高く、好待遇で働ける、安定した収入を期待できるといったメリットが考えられます。履歴書に堂々と書ける国家資格で、就職・転職も有利!
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